こんにちは。aytysdと申します。このたび、東京大学工学部の編入試験に合格いたしました。これを機に、合格体験記を書かせていただきます。拙い文章ではありますが、温かい目でお読みいただければ幸いです。きっかけ高専に入学した当初は、卒業後の進路についてほとんど考えていませんでした。「情報工学?AI?プログラミング?おもしろそう」といった軽い気持ちで情報工学科を選んだのが正直なところです。一年生の初めは、中学から続けていたテニス部に所属していましたが、寮の友人に誘われてロボコンに参加するようになりました。これがきっかけで、専門的に「ロボティクス」を学びたいと思うようになり、さらに、学生ロボコンの強豪チーム「RoboTech」に所属し、学ロボやABUでの優勝を目指したいという目標が生まれました。この思いから、東京大学工学部機械情報工学科を志望しました。スペックNITNC情報工学科元からくり部・ロボコンプロジェクト(2022全国優勝)席次1年: 1位2年: 6位3年: 3位4年: 2位5年: ?位TOEIC1年10月: 810(TOEIC IP)2年10月: 860(TOEIC IP)3年10月: 825(TOEIC IP)4年9月: 975 東大に提出TOEICの対策は、高専4年生の夏休みに集中的に取り組みました。それ以前は特に対策をしていませんでした。というのも、高専に入学する前にヨーロッパの日本人学校に通っており、そこで英語を徹底的に鍛えられたからです。併願第一志望:東京大学 工学部 機械情報工学科(合格)第二志望:東北大学 航空・知能機械工学科(未受験)第三志望:筑波大学 理工学群 工学システム学類(合格)第四志望:電気通信大学 理工学域 II類(合格)東大以外どこにも行きたくなかったので、日程的に東大の練習になり、研究したい分野がある大学を中心にいい感じに組み合わせました。勉強したこと1年僕らが入学したころはコロナ全盛期でした。もともと寮に住むつもりだったのですが、 オンラインで実家から授業を受けていました。このころから情報系の専門科目が面白い と感じており、学校の勉強 : 娯楽(Youtube等)= 7 : 3の割合で生活していました。 対面授業が開始されてからはテニス部に所属していました。といっても高専の体育会系 なのでかなりゆるゆるだったと思います。 12月ごろに寮の同級生がマイコンでLチカやモータを回す実験をしているのを見て、「 おもしろそう」と思いロボコンに入りました。それ以降はどっぷりロボコン沼に浸かっ てしまい、授業以外のほぼすべての時間を技術の勉強に割り当ててました。自身の初陣 となる合同ロボコン2021でボコボコにされたのはいい思い出です。2,3年とにかくロボコンでした。寝ても覚めてもロボコン、ロボコン、ロボコン。この頃は人生で一番頑張っていたと思います。優秀なメンバーと環境に恵まれ、三年生の時に全国優勝を果たしました。東大に行きたいと感じたのは三年の夏ごろです。理由は「きっかけ」に書いた通りです。3年冬 - 4年7月ロボコンの全国大会の二日後から始まった定期テストが終了した後、編入勉強をスタートしました。最初は何をすべきかわからなかったので、とりあえず「編入数学徹底研究」と「編入数学過去問特訓」を6か月もかけて三週しました。ロボコン期間中はテスト直前のみ本気で詰め込む短期記憶スタイルに頼っていたため、両本とも一週目では全く歯が立ちませんでした。これら二冊の教材が終わりかけるのと同時に、TOEICにも手を出し始めました。StudyPlusにはこのころの勉強記録はなかったのですが、一日およそ6時間程度やっていたと思います。一日の勉強時間: 6時間4年夏休み4年の夏休みは電磁気学とTOEICに50:50の割合で費やしました。僕の所属する情報工 学科では電磁気学は扱わないため、すべて独学する必要がありました。(昔のカリキュ ラムにはあったそうです)勉強し始めたとき、「あこれ独学無理や」ということで某オンライン編入対策スクールを利用しました。大変お世話になりました。電磁気はこの夏でほぼ網羅しました。 TOEICに関してはひたすら難しい参考書や模試を片っ端から解いてました。自分はもともと早寝早起きができるタイプだったので、朝5時起床、5:15 - 7:15までTOEIC模試 。残りの一日をかけて復習するというスタイルを本番2週間前から行いました。TOEIC は地の英語力に加えて、「TOEIC力」もあると考えています。努力の甲斐があり、9月 中旬に行われた試験で975点を取ることができました。一日の勉強時間: 8時間4年秋このころにようやく力学、熱力学、波動に手を出しました。当時は「基礎物理学演習Iさえ3週すれば何とかなるやろう」と思っていたのですが、1ミリも自力で解けず毎日のように絶望していました。なんやかんや「基礎物理学演習I」を3周した後、東大の数物の過去問を解きましたが、コテンパンにされました。かなり辛かったです。というわけで東大はあきらめてほかの東工大や阪大、東北大などの過去問を解き始めました。こちらもコテンパンにされたわけですが、東大ほどではなかったです。平日の勉強時間: 6時間休日の勉強時間: 8時間4年冬休み - 4年春休みが始まるまで冬休み中は他大学の過去問を解いてました。冬休み明けから東大の数物の過去問一本でした。約20年分を3周しました。一日の勉強時間: 8時間4年春休み東大の数物の過去問を解き終わったので、苦手だった分野を復習することにしました。具体的には確率熱力学波動線形代数英語ライティング力学です。ここでの復習がなければ僕は落ちてました。意外と抜けてるところをカバーできたので良かったです。一日の勉強時間: 9時間5年4月研究室に配属されました。やりたいことで研究室を選んだのですが、自分の時間を束縛されるような研究室ではなかったので良かったです。自分の部屋だとベットに横になってしまうため、9時まで研究室で勉強する日々を過ごしてました。数学問題演習→過去問とやり切ったので、新しい参考書に手を出し始めました。大学編入試験問題数学徹底演習という本です。3週しました。物理過去問をやり切り、圧倒的に演習量が足りないと感じたので演習力学に取り組みました。3周しました。一日の勉強時間: 8時間5年5月数学大学編入のための数学問題集という本を新たに始めました。3周しました。明らかにやる順番が違う。物理名門の森物理、弱点克服大学生の電磁気学、弱点克服大学生の初等力学を3周しました。英語ようやく英語の対策を始めました。ライティングが苦手だったのでドラゴン・イングリ ッシュ基本英文100と大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編に取り組んでま した。一日の勉強時間: 8時間5年6月スタディプラスには勉強時間は記録していますが、実は6月に入ってからほぼやる気を なくしました。燃え尽き症候群というやつです。あともうここまで勉強したら受かるだ ろうという油断です。実際受かったので良かったですが、落ちてたら一生の後悔になる のでお勧めしません。一次試験英語内容は覚えていませんが、おそらく全体で9割くらいとれたと思います。数学 1 微分方程式: 10割例年通りの簡単な奴でした。過去問を周回していれば必ず解けます。2 確率: 6割詳しい内容は忘れましたが過去問と同程度の難易度だったと思います。3 複素9割落ち着いてかつ時間があれば確実に全部解けるような問題です。過去問頑張りましょう。4 線形代数: 6.5割落ち着いてかつ時間があれば確実に全部解けるような問題です。過去問頑張りましょう。物理1 力学:6割倒立振子のトルクに関する問題。最初ちらっと見たとき冷汗が出ましたが、落ち着いて途中まで書き進めました。後半の棒周りの回転運動方程式が求められなかったです。2 電磁気学:8割球体コンデンサ問題です。大学生の初等電磁気学で出てきたものとほとんど同じで助かりました。僕は東大の物理の問題を解く方針として「完璧を目指さない」ようにしているので、最後の小門は難しいだろうと思って見向きもせずに飛ばしました。終了30秒 前になって「あこれ解けるやつやん」と思いました。全体的に記述がかなり要求されて おりあまりうまく書けませんでした。3 光学: 8割2021年の第三門目の下位互換版みたいなやつで助かりました。専門知識はなかったで すが初見で解けました。試験後、なんとなく受かってるだろうなと思いました。案の定受かってて発狂しました 。友達に褒められてうれしかったです。2次試験詳しいことはすべて忘れました。自分が試験のことはあまり覚えないようにしているので。でも落とされるような失礼なことをしなければ大体受かると思います。成績開示英語、物理はおおよそ予想通りでした。正直数学に一番勉強時間を割いたはずなのにこ の点数。。相当ショックでした。(6割切ってる)合計は719/1000だったので総合で7割 は超えています。しかしツイッター上に上がっているほかの東大合格者さんの中では下の方だと思います。「英語がなかったらかなりきつかっただろうなー」というのが感想です。使った教科書と過去問数学編入数学徹底研究編入数学過去問特訓細野真宏の確率が本当によくわかる本細野真宏のベクトル「空間図形」が本当によくわかる本細野真宏のベクトル「平面図形」が本当によくわかる本編入の線形代数徹底研究大学編入試験問題数学/徹底演習大学編入のための数学問題集素晴らしく実力が付くと評判の演習複素関数キャンパスゼミ東大過去問東北大学過去問東工大過去問阪大過去問筑波過去問電通大過去問物理電磁気学演習基礎物理気学演習I物理のエッセンス 力学・波動物理のエッセンス 熱・電磁気・原子演習力学スバラシク実力が付くと評判の熱力学キャンパスゼミ名門の森 物理(緑)名門の森 物理(橙)弱点克服大学生の初等力学弱点克服大学生の電磁気学東大過去問東北大過去問東工大過去問阪大過去問筑波過去問東大院過去問電通大過去問英語(TOEIC)は除く大学入試最難関大への英作文鉄六回東大英単語熟語鉄壁英語表現力を豊かにする例文英訳教本 文法強制編英語長文問題成功ドラゴン・イングリッシュ基本英文100ポレポレ英文読解プロセス50技術英語の基本を学ぶ例文300大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編システム英単語東大過去問思ったこと編入勉強しんどかったです。理由としては同じ熱量で頑張れる友達が少ないこと。過去問の回答がなかなか入手できないことがあげられます。それでも約1年半勉強を続けられたのは、きっかけに書いた強いモチベーションがあったからだと思います。皆さんも大学を選ぶときには、「ここでしか○○ができない」という強い動機を早めに見つけてください。編入試験の勝利への秘訣です。ほかの編入体験記を読んでると「4か月で合格できた」とか「5年生になってから対策を始めて受かった」という記事を見かけますが、同じ期間で勉強したらほぼ確実に落ちると思います。実際落ちた人は編入体験記なんて書きませんもんね。