高専からの大学編入に向けた勉強の流れ高専から大学編入を目指す場合、「いつから勉強を始めればいいのか?」という疑問を持つ人は多いでしょう。多くの学生が4年生から本格的に編入試験対策を始めますが、実際にはそれ以前の準備が合否に大きく影響します。本記事では、学年ごとの適切な学習計画や勉強の進め方について詳しく解説し、効率的な編入試験対策を提案します。特に、1〜2年生のうちに取り組むべきことや、3年生の段階でのTOEIC対策、4〜5年生での本格的な受験勉強の流れについて具体的に説明します。目次1〜2年生:定期試験対策で基礎固め!① 定期試験の勉強が大切な理由1〜2年生のうちは、定期試験を通じて基礎学力をしっかり固めることが最優先です。高専テクノゼミが行った調査(高専から大学に編入した学生54人対するアンケート)によると、75%以上の学生が4年生以降に編入試験対策を始めています。一方で、88%が成績上位25%に入っていることが分かりました。つまり、早い段階で基礎をしっかり身につけておくことが、編入試験の成功に直結するのです。② 成績上位を維持するメリット定期試験の成績が良ければ、以下のメリットがあります。推薦入試の選択肢が広がる高専の成績が一定以上であれば、推薦入試の対象となる可能性があります。推薦入試は試験科目が少ないため、一般試験よりも負担が軽減されるケースが多いです。編入試験の勉強がスムーズになる数学や英語、専門科目の基礎がしっかり身についていれば、4年生以降の本格的な試験対策にスムーズに移行できます。③ 自分の興味のある分野を探る1〜2年生のうちに、どのような分野に興味があるのかを考えることも重要です。例えば、以下のような方法で進路について考えてみましょう。授業を受けながら「好きな科目」を見つける高専の授業を受けて、自分が好きな科目を知りましょう。数学や物理が得意なら理論系の分野、実験が好きなら応用系の学科が向いているかもしれません。もし専門科目の授業があまり楽しくなければ、大学編入で専攻を変えるというのも手です。高専テクノゼミの行なった調査では32.1%の学生が大学編入で高専時代から専攻を変えています。大学のカリキュラムや研究内容を調べる気になる大学のホームページでシラバスや研究室の情報をチェックし、自分が学びたい分野をどのように学べるかを知りましょう。オープンキャンパスや進路選択系のイベントに参加大学の雰囲気を実際に感じたり、他の高専生と意見交換をすることで、将来の目標が明確になります。比較的時間に余裕のある低学年のうちに積極的に参加しましょう!高専テクノゼミでは全国の高専生と進路について考える「進路選択の部屋」というイベントを定期的に開催しています。3年生:TOEICの勉強を始めよう!① TOEICが重要な理由大学編入試験では、英語の試験として、TOEICを採用している大学が多数あります。高専テクノゼミの実施した調査によると、高専から大学に編入した人の平均スコアは709点でした。② TOEIC受験のタイミングほとんどの大学では、TOEICのスコアは試験日から2年間有効なため、3年後期ごろに受験するのが最適です。このタイミングで700点以上を目安に高いスコアを獲得できれば、編入試験の他の科目に時間を割くことが可能になります。③ TOEIC対策の進め方TOEICのスコアを効率よく伸ばすためには、計画的な学習が重要です。まず、英単語の学習を継続的に行うことが大切です。特に、TOEIC頻出単語が掲載されている金のフレーズを活用すると、短期間で語彙力を強化できます。また、リスニング力を向上させるために、シャドーイングの練習を取り入れると効果的です。実際のTOEIC試験の形式に慣れるためには、公式問題集を使用し、時間を測って解くことを習慣化しましょう。各パートごとに制限時間を決めて演習することで、試験本番での時間配分にも慣れることができます。④第一志望校の決定さらに、3年生のうちに第一志望の大学を決め、どの科目や分野に重点を置いて勉強するべきか明確にすることが大切です。大学の研究室の内容を調べたり、実際に編入した先輩の話を聞いてみるのも良い方法です。実際の体験談を読むことで、より具体的な目標を持つことができ、モチベーション向上にもつながります。大学編入の体験談はこちらまた、この時期も定期試験で良い成績を維持し、基礎学力を高めることを忘れずに。定期試験の成績が安定していれば、推薦入試や他の進学選択肢も広がり、受験戦略に余裕が生まれます。4〜5年生:数学を中心に志望校に向けて勉強!① 編入試験の数学対策数学は編入試験の最重要科目の一つです。問題の難易度が高いため、基礎を固めた上で応用問題を解けるようにする必要があります。② 効率的な学習計画4年生の夏までを目安に高専の授業で使った教科書と問題集を復習する。まずはここから始めましょう。微積分、線形代数、確率統計などの基礎をしっかり復習し、基礎を固めましょう。4年生の冬までを目安に編入試験用の一般的な問題集を解く。 大学編入のための数学問題集や編入数学徹底研究の出題範囲の分野を解き切りましょう。過去問を使って苦手な分野を知る(4年生後期〜5年生)志望校の過去問を解き、出題傾向を把握することも重要です。自分の苦手な分野を知り、対策を進めていきましょう。苦手な分野の問題集を解き切ったら再び過去問を解いていきましょう。③併願校の選定また、併願校の選定も非常に重要です。高専からの大学編入では受験日が被らなければ何校でも受験可能です。第一志望の大学だけでなく、試験範囲が似ていて、試験日が重ならない大学を選んで受験のチャンスを増やしましょう。特に技術科学大学や高専の専攻科は受け入れ人数が多いため、併願校として検討する価値があります。高専からの大学編入試験対策に必要な3要素①質×量を意識した自習高専テクノゼミの調査によると、編入試験に向けた総勉強時間の平均は約1,500時間です。単に長時間勉強するだけではなく、「どれだけ正確に理解し、解けるようになったか」を意識することが重要です。②一緒に頑張る友人高専から大学に編入する人の割合は約25%と少数派で、孤独との戦いとも言われます。一緒に勉強できる仲間がいると、モチベーションを維持しやすくなります。③道を示す師勉強をひたすら頑張っていても、その方向が正しくなければ合格には近づきません。そこで必要なのが師と呼べる存在です。わからない問題は高専の先生に質問して、疑問点を解消しましょう。また、高専テクノゼミで実際に高専から大学に編入した講師から指導を受けることも効果的です。具体的な志望校の策定から、実用的な勉強の計画を立てたり、問題の重要度を知ることができます。まとめ高専からの大学編入を目指す場合、4年生以降に本格的な対策を始めるのが一般的ですが、それ以前の準備が合否に大きく影響します。1〜2年生:定期試験で高得点を取る&興味のある分野を見つける3年生:TOEIC対策を進める&志望校を決める4〜5年生:数学を中心に本格的な編入試験対策を行う計画的に学習を進め、目標の大学への編入を実現しましょう!