進路を考えている皆さん、大学編入を目指している皆さん、こんにちは!今回は、大学編入試験における「面接対策」について詳しくお話しします。私は高専から大学へ自己推薦で編入した経験があります。大学編入試験の面接は、アルバイトなどの面接とはまた違う独特な緊張感があり、どのように自分を表現すべきか悩んだことを今でもよく覚えています。この記事では、面接の基本から、準備方法、具体的な受け答えのコツまで、実体験を交えながら丁寧に解説します。これから編入面接を迎える皆さんが、自信を持って本番に臨めるよう、少しでも参考になれば嬉しいです。専攻科志望の方も専攻科入試の面接に応用できるかもしれないので、ぜひご一読ください。この記事では普遍的な「面接」をメインとしているため、専門的な「口頭試問」については触れていません。大学編入とは?まず最初に、「大学編入とは何か」について整理しておきましょう。大学編入とは主に高等専門学校(高専)や短期大学を卒業後、大学の2年次または3年次に編入学することを指します。大学編入を選ぶ理由はさまざまですが、より専門的な学問を深めたい自分の興味分野を広げたい(分野転向含む)就職よりもまず進学を選びたいキャリア形成上、学士以上の学位が欲しいといった動機が多いようです。特に高専生の場合、実践的な技術力は十分に備えていますが、さらに理論や研究の側面を深めたいという思いから進学を考える方が多い傾向にあります。大学編入の選抜方法について大学編入試験の選抜方法には、大きく分けて一般入試と推薦入試の2種類があります。一般入試:学力試験(筆記)+面接(口頭試問)推薦入試:基本的には面接中心(場合により小論文)推薦入試にはさらに、学校推薦(成績優秀者に対して学校が推薦、4年次成績上位10%以上が多い)自己推薦(成績に関係なく自ら推薦)という違いがあります。学校推薦は、いわば「学校の顔」として受験する意味合いがあるため、基本的に辞退ができません。一方、自己推薦はチャレンジ色が強く、受験生自身の意欲や個性が強く問われます。大学によっては自己推薦の合格者がゼロである年も多く、精神的な強さが必要です。私自身はこの自己推薦で国立大学への編入を目指しました。成績は悪くなかったものの、学校推薦には届かず、自らチャンスを掴むために動いた形です。面接で求められること大学編入の面接では、主に次の3点が問われます。3点を自分の言葉で表せるように、明確にしておきましょう。① 明確な目的意識と研究意欲なぜその分野を学びたいのか。自分が編入後にどのような学問的成長をしたいのか。これを自分の言葉で、具体的に語ることが重要です。たとえば、「IoTに興味があり、センシング技術とデータ解析を融合させた研究を深めたい」「地域課題の解決に興味があり、都市計画やまちづくりの研究に携わりたい」など、自分の興味と将来像をつなげて説明できると説得力が増します。② その大学・学科を志望する合理的理由編入面接では必ず聞かれる質問のひとつが「なぜこの大学、この学科なのか」です。漠然とした理由では不十分で、志望動機に具体性が必要です。教授の研究テーマに共感した特定の研究設備を活用してみたい学際的なカリキュラムが魅力的だったなど、きちんと調査し、自分の目標に合った説明ができるようにしましょう。また、大学の制度や立地も理由にすることができます。例えば、「学部独自の留学プログラムや協定大学が充実しているから」「展示会やミートアップに行きやすいから」なども言えますね。③ 一緒に研究したいと思わせる人柄面接官は「この学生と一緒に研究したいか」「この大学にふさわしいか」という視点でも見ています。専門知識の量だけでなく、素直さ、誠実さ、情熱が伝わるかがカギです。丁寧な言葉遣い謙虚な態度率直な表現これらを意識して臨みましょう。棒読みにならず、自分の思いを自分の言葉で伝えることが大切です。面接対策の進め方ここからは、実際にどのように面接準備を進めたら良いかを具体的に紹介していきます。①〜⑤の全てを実施しなければならないということはありませんが、経験上しておいた方が良いと感じたものを選びました。すればするほど、面接に自信がつくでしょう。① 編入体験記を読む志望理由を明確にするためにも、志望大学や他大学の編入体験記を徹底的に読みましょう。どんな質問をされたかどのような雰囲気だったか(会場の様子なども)どのポイントを重視されたか生の声から得られる情報は非常に貴重です。可能であれば、先輩に直接相談するのも良い方法です。同じ高専の先輩だけでなく、体験記の筆者をSNSで検索することも有効です。大学編入試験における過去問は、編入体験記と先輩への相談だと言えます。② 募集要項やカリキュラムを読み込む募集要項、カリキュラム、サイト記事などの読み込みをしましょう。編入体験記の年度との変更の可能性もあるため、要注意です。(試験内容・学部編成・学科名・コース名など)内容は以下の通りです。出願資格の確認どの入試方法で受験できるのかを確認試験内容、実施日程や実施場所の確認受け入れ方針の熟読研究室や教員の確認カリキュラムの確認「受け入れ方針」というのは、どんな人物を受け入れるのかがまとめられた文であり、募集要項やパンフレットに記述されていることが多いです。それに沿った人物であることを伝えることが、面接における合格への突破口です。③ 模擬面接を繰り返す面接は慣れが大きくものを言います。先生や友人にお願いして、何度も模擬面接を行いましょう。想定質問例をいくつか挙げます。なぜ編入を志望したのか高専(短大)での学びと成長将来の目標(入学、卒業、就職、人生などさまざまな段階で考える)志望大学・学科を選んだ理由最近関心を持ったニュース・研究トピック模擬面接では、答えが詰まっても大丈夫です。むしろ、詰まったところを振り返って、改善していくことが本番への一番の近道です。また、志望大学の編入体験記で出てきた質問は全部答えられるようにしておきましょう。面接官は、その基本的な質問から話を広げて質問してきます。内容が専門寄りなだけの通常の会話だと思った方が気が楽になります。④ 関連分野の知識を深める面接では、専攻分野に関する知識や時事問題に絡めると深い会話をできる質問をされることがあります。そのため、関連書籍やニュース、論文に目を通しておくことをおすすめします。私の場合、志望分野に関する基本的な参考書を数冊読み込みました。「ここ最近、関心を持ったモノは?」「〇〇とはあなたの中で何?」と聞かれたときも、混乱せずに回答できた経験があります。⑤大学を訪問する試験前に、一度は大学に訪問してみましょう。研究室訪問までできることが理想です。(顔を覚えてもらえる可能性、やる気を見せられる可能性、相性の確認)しかし、都合でどうしてもそこまでできない場合もあるので、試験前に大学の下見だけでもしておきましょう。緊張しにくくするのはもちろんのこと、当日道に迷うなどのアクシデントを防ぐためです。もし話すことが思いつかないときは?どうしても志望動機や自己PRがうまく言葉にできないとき、次のような視点で自分を見つめ直してみましょう。なぜこの分野を面白いと感じたかどんな授業・研究が楽しかったか編入後、どんなことを成し遂げたいかまた、編入生はカリキュラム上、学部1〜2年次の科目を短期間で修得しなければならない場合もあります。この点についても「困難を乗り越える覚悟がある」という姿勢を示せると良いでしょう。面接に向けて心がけるべきこと最後に、面接に向けて心がけると良いことをまとめておきます。きっと、あなたをもっとステキな人に見せてくれます。身だしなみと礼儀第一印象は思っている以上に大きな影響を与えます。清潔感のある服装、落ち着いた態度、ハキハキとした丁寧な挨拶を心がけましょう。書類へのこだわり志望理由書やエントリーシートは、自分の分身だと思って、丁寧に作成しましょう。私自身、高専の入試から始まり、アルバイトの履歴書作成でも、丁寧に何度も清書することを心がけていました。アルバイト先の店長からも「丁寧な書類で、誠実さが伝わったよ」と評価された経験があります。書類から伝わる印象も、面接官の心に響くことを意識してください。メラビアンの法則を意識する有名な「メラビアンの法則」では、コミュニケーションの印象は、見た目・態度:55%声のトーン・話し方:38%話す内容:7%と言われています。言葉の内容よりも、伝え方や態度の方が重要視されるということを頭に入れておくと、本番で落ち着けるはずです。まとめ大学編入の面接は、自分自身と深く向き合い、自分の未来を真剣に考える絶好の機会です。なぜその学問を学びたいのかなぜその大学・学科なのか自分はどんな未来を描いているのかこれらを素直に、誠実に、堂々と語ってください。焦る必要はありません。あなた自身の経験と思いを大切にして、面接に臨んでください。きっと、あなたの熱意は伝わります。希望する道へ進めることを、心から応援しています!高専テクノゼミでは、高専生の定期試験や大学編入試験に向けての勉強をサポートしています!約100名の高専出身の旧帝大(東大・九大・京大・阪大・北大・東北大・名古屋大)・国立大の大学生たちが、勉強が楽しくなるためのコツを塾生に寄り添って指導しています。数学・物理・化学・英語といった一般科目から、あなたが高専で学んでいる専門科目まで、幅広く対応可能です!(機械系・電気電子系・情報系・土木建築系・化学系など)学びを深めたい方も成績が伸び悩んでいる方も、あなたの目標に向けて高専テクノゼミで学んでみませんか?👇 定期試験の成績を伸ばして学校推薦を受けたいあなたへおすすめ定期試験対策|高専テクノゼミ|高専卒東大発のオンライン学習塾👇 学力入試に向けて実力を伸ばしたいあなたへおすすめ編入試験対策|高専テクノゼミ|高専卒東大発のオンライン学習塾また、テクノゼミでは進路選択に役立つイベントを開催しています。進路選択の視野を広げるために、参加してみてはいかがでしょうか? 👉 詳しくはこちら