要点表 大学名九州大学学科機械航空工学科機械工学コース試験の時期6月上旬併願大学なし (高専の専攻科のみ)試験科目4力学(熱、流体、材料、機械)熱力学熱力学第一法則、理想気体の状態変化、エントロピーと熱力学第二法則ガスサイクル、冷凍・ヒートポンプサイクル、蒸気動力サイクル流体力学流体の性質や運動、連続の式管内流れと損失、運動量保存則エネルギー保存則材料力学平衡条件トラス,梁の曲げ,ねじり機械力学運動の3法則などの力学で習う基礎知識1自由度系の振動面接・ 志望動機は何か・卒業研究は何をしているか・他の学校はどこを受ける予定か スケジュール4年4月~6月大学編入のための情報収集(大学の特徴、試験科目、勉強の仕方、参考書の準備など)4年夏季休業一般試験のための勉強 主に数学4年冬季休業数学 参考書進める・過去問解く編入数学徹底研究や編入数学過去問特訓今までの数学の期末試験や教科書を使用 英語 TOEICの勉強 金フレをする→スコア4754年春季休業and5月4年次の成績開示→クラスの上位5%以内で九州大学の推薦ができることを知る急いで4力学の口頭試問の対策を行う学校で4力学を学んだ教科書で勉強し、先生に実際に面接をお願いして対策自己紹介在学・出身高専・学科:九州大学大学院工学府機械工学専攻在学 久留米工業高等専門学校機械工学科卒 得意科目:数学 物理 熱力学 苦手科目:材料力学 趣味:バスケ キャンプ 高専での順位:1年:8位、2年:18位、3年:12位、4年:2位 5年:20位 高専からの大学編入で九州大学を選んだ決め九州大学の決め手家から近い(経済的にうれしい)工学部の研究設備の充実さややっていること(特に水素)が魅力的だったレベルの高い環境で勉強や研究、大学生生活を送ってみたい九州大学編入の併願校とその理由久留米高専専攻科理由: 家から近い 受験科目が数学と4力学のみ受験することの慣れ、滑り止め受験科目:数学 4力学 英語(TOEICスコアの提出)結果: 合格高専から九州大学編入の教科別試験対策法九州大学工学部機械航空工学科機械工学コースの推薦入試には4力学に関する口頭試問があり、一般試験であれば数学、英語、4力学が出題される。自分は結果として推薦入試を経て、編入したが、推薦入試はもちろん一般試験の出題傾向や実際に私が高専学生時代に行った勉強方法を解説する。一般試験 数学数学の出題範囲別の傾向と対策一般試験の数学の例年の傾向としては微分積分学、線形代数がよくでている。この分野を1点も落とさないぐらい強固にしていくことが非常に大事であると感じる。また、微分方程式や数列やベクトル解析もよく出題される。フーリエ変換・ラプラス変換や確率・統計もたまに出題されるといった印象がある。微分積分学は極値を求める問題、工夫の必要な普通の積分があり、線形代数は固有値を求める問題や行列の対角化、空間ベクトルと合わせた問題などが主流である。編入数学で必要な知識は編入数学徹底研究と編入数学過去問特訓があればほぼ網羅できる。この参考書では実際の編入試験の過去問を取り扱って、一回自分で問題を解いてみて、その後に解答解説を見て解き進んでいくので効率は非常にいいと思われる。しかし、参考書の中には小さい計算の過程や公式を省略して進んでいる箇所もあるので、学校で学んだ教科書や授業のノートと並立して、問題に対しての基本的な考え方や押さえておくべき知識を学習していくとよりはかどる。 推薦試験 4力学(熱力学・流体力学・材料力学・機械力学)熱力学の出題範囲別の傾向と対策熱力学の問題は他の分野の問題と違って、基礎的な問題が出題される傾向にある。熱力学の基礎である系や圧力、温度などの物理量に関する知識を再確認することが大事。他の分野の問題が難しい傾向にあるので、熱力学は全て答えることができるようにしておきたい。実際の試験の問題閉じた系と開いた系とは何か?閉じた系と開いた系の熱力学第一法則は?理想気体とは何か?実在気体を理想気体に近づけるためには温度と圧力をどうすればいいか?熱力学では一般的に、微量な物理量を扱うときに物理量の前につける文字を使い分けるが、それは何による違いか?(内部エネルギー du 仕事 δW 熱量 δq)流体力学の出題範囲別の傾向と対策流体力学は生活の身近な物理現象を流体力学的に説明することが多い傾向にある(蛇口なども)。各物理現象をエネルギー保存や損失、運動量保存などの考え方を使って、理論的に説明できることが理想である。また、レイノルズ数やキャビテーションなどの単語の意味を理解することも大事である。実際の試験の問題教室の空気を換気するために窓を開けたい。窓を全部開けるのと半分開けるのでは流れる量は変わりますか?ベルヌーイの原理についての説明材料力学の出題範囲別の傾向と対策材料力学は他の力学と違って、材料力学の問題が書かれた紙を渡されて数十秒見て、問題を把握した後に面接官から質問される。答えをパッと答えるというよりかは答えに近づくための方法や考え方を重視している。実際の試験の問題 壁に円状の梁が片側固定されているものに対して端点がピンによって止まっている。そのピンには水平方向加重Pが作用している。変位を求めるために鉛直方向加重Q(仮想加重)や曲げモーメントMを負荷することを考える。QとMは0か?有限か?ピンを外したらどちらに部材は動くか?ピンの変位を求めるためにはどうすればいいか? 機械力学の出題範囲別の傾向と対策機械力学は物理の基礎的な問題と流体同様、身近な物理現象を力学的に説明する問題がある。後者は難易度が高いため、基礎的な問題は必ず答えられるようにしておきたい。傾向としては一自由度系の振動や慣性モーメント、回転座標系においての慣性力などが出題されている。実際の試験の問題物体の運動の3法則を説明固有振動数とは何か物体に外力を与えることなく振動することを何振動というか?おわんがここにあります。おわんの固有振動数を簡単に知りたいときにどうすればいいですか?おわんにもしひびが入っていたらおわん本来の固有振動数よりも大きくなりますか?小さくなりますか?面接志望動機は何か卒業研究は何をしているか他の学校はどこを受ける予定か 面接の質問に対して、卒業研究のことはホワイトボードに書いて説明をした。面接は終始和やかな雰囲気で行われた。質問は受験生が大学に編入する意思の確認であるので、伝えたいことがはっきりと話せていれば大丈夫。 利用した参考書一覧数学編入数学徹底研究 編入数学過去問特訓英語・TOEIC金のフレーズ熱力学JSMEシリーズ 熱力学流体力学JSMEシリーズ 流体力学材料力学材料力学 新装版 村上 敬宜機械力学詳解 機械力学最後に自分は4年の2月の学期末試験を終えるまでは一般試験の勉強を行っていて、4年次の成績を確認してから大学に出願する形式を変えて、編入しました。したがって、4年の前期から自分が編入したい大学についてとことん調べ上げて、自分の成績と相談しながら勉強の計画をすることをお勧めします。実際の推薦試験で答えられたのは5割ほどでした。中々、口頭試問という形で椅子に座って、専門分野に対する質問をされることがないと思いますので、頭が真っ白になって普段の実力を発揮できないことがあると思います。そこは、しっかり学科の先生や友人・知人に面接の練習を協力してもらって場数を踏むことが大事であると感じます。4年生はみなさんの進路にとって大事な時期です。最後まであきらめずに編入の勉強に邁進してください。