こんにちは、令和3年度九州大学工学部電気情報工学科に合格した佐藤です。今回は大分高専から九州大学編入試験に合格するまでの体験談について書こうと思います。高専から大学編入を考えている高専生にぜひ読んでいただければと思います。自己紹介在学高専・学科:大分高専 電気電子工学科得意科目:電気回路・英語苦手科目:電磁気学TOEIC:915点(受験時835点)趣味:映画鑑賞、PCゲーム高専での順位1年:4位2年:4位3年:4位4年:2位5年:1位高専からの大学編入で九州大学を選んだきっかけ私は九州大学の電気情報工学科に編入しました。大分高専では、電気電子工学科だったので、電気系の分野についてより詳しく学びたいと思い電気情報工学科を選びました。電気情報工学科には3つの課程が存在し、編入学時に希望の課程に進むことができます。私は、通信系の分野に進みたかったので、電子通信課程(所謂B課程)に所属しました。国立の大学ということで、高専時代よりも施設等の規模が大きく、充実した環境で勉強ができることに満足しています。私は、少し珍しいですが、高専入学時から九州大学に編入学しようと考えていました。理由としては、高専卒と大学院卒では就職先や将来の年収の面で大きな違いがあるからです。現実的な内容ではありますが、旧帝大を目指している方なら重要視している方も多いと思います。実際、現在私が所属している研究室のOB方の就職先には、高専時代と差があると感じています。就職活動も本人の努力次第ではありますが、環境で得られるメリットも大いに存在するはずです。もちろん、大学院まで進学することで、自分の好きな分野についてとことん研究開発ができるというのも、大学進学のメリットです。私は現在通信系の研究室に所属していますが、高専では使用できなかったような、研究用ソフトウェアや実験器具を使って研究することができています。このような理由から私は九州大学へ進学しました。九州大学編入の併願校とその理由私は、大分高専の専攻科を併願していました。九州大学に進学できなかった際は、他大学に編入学するよりも、高専5年生で研究した内容を+2年間研究することの方が、メリットとして大きいと考えたからです。専攻科に進学してから、九州大学等の大学院に進学しようと考えていました。高専から九州大学編入の教科別試験対策法ここからは、教科別の試験勉強法について紹介していきます。過去問の傾向というより、私自身が勉強した内容や参考書を紹介したいと思います。まず、下記は各教科で使用した参考書や演習問題についてです。 数学…高専の数学の教科書、大学編入学徹底演習、確率の演習問題 英語…TOEICの勉強、大学院用の英単語、センター英語 電気回路…高専で使った教科書、詳解電気回路演習、専攻科試験の問題 電磁気学…高専で使った教科書、電磁気学詳解、専攻科試験の問題 面接…先生と計4回の面接練習数学数学は、高専で使用する5種類の教科書を主に使用しました。全ての教科について言えることですが、基礎を完璧にすることが最も重要なことだと思います。私は教科書の演習問題を一通り解き直しました。しかしながら教科書では扱っていない内容等も試験では出題されるので、教科書を解き終えたら徹底演習を解きました。徹底演習は問題量がかなり多いので、過去問の傾向から、出題されそうな問題に絞って解きました。また、高専の教科書では確率の分野は簡単な問題しか扱っていなかったので、確率の参考書を一周解きました。英語英語は、TOEICの勉強をした後、編入試験用の勉強に切り替えました。TOEICは、金フレ、でる1000(黒い本)、公式問題集を主に解きました。TOEICはテクニック等色々ありますが、結局は問題を解いた量と単語力だと思います。早いうちからコツコツやっておくのが得策だと思います。しかし九州大学の編入試験では、TOEICの点数が換算される訳ではないので、試験用の勉強が必要になります。問題は長文和訳が2問、英文和訳が10問程、和文英訳が10問程です。長文は論文のようなアカデミックな内容だったり、夏目漱石の坊ちゃんの英文であったりと出題内容は様々です。その中で特に単語が特に難しいと感じました。TOEICやセンター英語で扱われるような英単語ではなく、大学院レベルの英単語が多かったです。私は、「院単」と呼ばれる大学院入試用の英単語帳で単語を勉強しました。(院単は難易度が高いので、時間があればやる程度で大丈夫だと思います。)電気回路電気回路は、授業で使用した教科書と専攻科の過去問、詳解電気回路演習を使用して勉強しました。私の高専では先生が独自に作成した冊子を使ってしましたが、これは授業で使用するような教科書であればなんでも大丈夫だと思います。教科書を解き終えたら専攻科の過去問と詳解電気回路演習を使用して勉強しました。専攻科の過去問は、九州大学より難易度が高く、演習問題として最適でした。詳解電気回路演習はかなり難易度が高く、問題量も多いので全てを解く必要はありませんが、演習問題探しには最適な一冊だと思います。また、高専には専門科目の先生が多くいらっしゃるので、わからない問題があればすぐに質問しに行きましょう。参考書の解答より遥かにわかりやすい答えが返ってくると思います。また、私が受験生のころは情報収集不足で知らなかったのですが、電気電子工学シリーズという参考書が九州大学で使用されているので、授業で使用した教科書の代わりにこちらを解くのも良いと思います。電磁気学電磁気学も電気回路と同様に、授業で使用した教科書と専攻科の過去問、詳解電磁気学演習を使用して勉強しました。私の高専では、基礎電磁気学を使用していました。教科書を解き終えたら専攻科の過去問と詳解電磁気学演習を使用して勉強しました。電気回路と同様に専攻科の過去問は、編入試験用の演習問題として使いやすかったです。専門科目は九州大学のように、過去問が公開されていないケースも多いので、使えそうな問題は積極的に活用しましょう。詳解電磁気学演習は電気回路同様、かなり難易度が高く問題量も多いです。おすすめの使い方としては、過去問等を解いて解説で躓いたときに類似問題を詳解電磁気学演習から探して、解答代わりに使用する方法です。問題数が多いので類似問題も見つけやすいと思います。面接面接練習は、同じ学科の先生と計4回行いました。内容としては・志望動機・高専で行っている研究・行きたい研究室・大学院進学について・願書を元にした質問を練習しました。元々推薦試験の面接練習をしていたので、志望動機や研究室については詳しく練習しました。一般試験の面接は、推薦試験ほど重要視されておらず、あまり深い質問はされませんでした。基本的な内容に対して受け答えが出来れば良いと思うので、一般試験の方は、面接練習は重要視する必要はないと思います。推薦試験を受ける方は、志望動機と行っている研究、行きたい研究室についてなんでも答えられるように練習しておきましょう。高専から九州大学編入試験に合格した勉強スケジュール3年春休みTOEICのでる1000を解き始めるも単語力が無く挫折。金フレを地道に覚え始めました。4年前期授業中暇な時にずっと金フレを覚えていました。定期試験が近くなると試験勉強にも力を入れました。4年夏休み金フレと、でる1000を解きました。編入試験勉強は全く手をつけていませんでした。4年後期11月にTOEICを初めて受験し790点でした。その後1月のTOEICで835点を取れたので英語の勉強は一旦やめ、年明けから高専の教科書の解き直しを始めました。定期試験にもかなり力をいれていました。4年春休み試験勉強を本格的に始めました。高専の教科書を一通り解き終えたと思います。5年4月〜5月専攻科の過去問を解いたり、徹底演習、詳解演習を解いたりして、友達や先生にひたすら質問していました。5年6月〜専攻科試験が終わり、九州大学の試験勉強を本格的に始めました。過去問を解いたり、詳解演習を解いたりしていました。院単を覚え始めたのもこの辺りです。上記のように、私は勉強を始める時期がかなり遅かったと思います。唯一英語を勉強していたので、編入試験用にほとんど英語を勉強しなくて済み、その分数学と専門科目に時間が割けたと思います。この記事を読んでいる方が3年、4年前期の方であれば英単語を覚えておくことをおすすめします。他教科と違って忘れづらいので、先に勉強しておくと恩恵を得られやすいと思います。九州大学編入試験当日前日に近くのホテルに泊まり当日はバスで試験会場まで向かいました。試験当日にバタつかないよう前日入りすることをおすすめします。数学試験内容は線形代数、微分方程式、フーリエ、ベクトル解析でした。自分の得意範囲が出たことで体感9割は解けた気がします。英語過去問に比べてかなり難しかったです。難化していることへの焦りから、長文翻訳で数問見落としをしてしまい、6割程度しか解けませんでした。ただ難化しているのは他の受験生も同様なのでそこまで周りと点数差が付いた訳ではないと思います。電気回路過去問が公開されていないので、どのレベルの問題が来るかわかりませんでしたが、かなり基礎的な問題でした。体感は9割解けました。電磁気学こちらも問題が予想できませんでしたが、専攻科と同様の問題が出たおかげで大問3問中2問は確実に解くことができました。ただ一問磁気回路の問題が見たことのない問題で全く解くことが出来ませんでした。面接面接練習をしていたおかげで難なく受け答えすることができました。10分も掛からなかったと思います。高専から大学編入を目指しているみなさんへここまで読んでいただきありがとうございました。教科別の勉強法をお伝えできたと思います。私が受験生の頃は、ネット上での情報収集等あまり行っていなかったせいで試験対策が不十分なところがありましたが、ネット上には沢山の編入試験情報が載っているので、情報の取捨選択をして、有効活用していただけたらと思います。また、受験生へのアドバイスとして、先生にはどんどん質問しに行きましょう。高専の先生方はその科目のエキスパートであるので、理解できるまでとことん教えてくれるはずです。わからない問題を一問一問潰して解ける問題を増やして行きましょう。この記事を読んでくださった方の力になれれば幸いです。志望校に合格できるよう頑張ってください!