高専で難しいことと言えば、数学を挙げる方が大半だと思います。実際に、高専で習う数学は普通高校で習うものよりも範囲が広く、かつ難しいです。そして、数学は科目数が多いため必然的に単位数も多いです。そのため、数学でつまずいてしまうと留年率が跳ね上がってしまいます。事実、私が高専で在学時に留年した人は必ずと言って良いほど数学関連科目の単位を落としていました。 さらに言えば、数学は多くの専門科目で基礎となっている場合がほとんどで、数学が前提にある専門科目、例えば、構造力学、材料力学、電子回路などは、一緒になって単位を落とすことが多い要注意科目です。 しかし、裏を返せば数学さえクリアすることができると、留年率は大きく低下し、高専生活を楽しく過ごすことができるといえます。 本記事では、そんな高専の数学を攻略するコツ3選を紹介させていただきたいと思います。ポイント1 高専数学の基礎は暗記 数学で暗記と言われて、驚いた方も多いかもしれません。ですが、数学の基礎は暗記です。同時に、基礎を抑えることができると高専の数学の試験で80点は確実に取ることができます。また、残りの20点も基礎の組み合わせで得点することができます。 しかし、ただ公式を覚えるだけでは成績はついてきません。公式を覚えた上で、さまざまな問題に取り組み、問題のパターンとその解法まで覚える(理解する)ことが非常に重要です。ポイントは、ただ覚えるのではなく、なぜこの解法を用いるのかをよく考えることです。加えて、その理由を日本語で教科書やノートに書き足していくと、復習の際も非常に効率的でお勧めです。 これだけではわかりにくいと思うので、具体例として、関数の最大最小を求める問題を考えましょう。よくある解法は次の3パターンあります。①微分して極値を求める ②平方完成をおこなう ③相加平均・相乗平均を使う そして、参考書の問題で①の方法が紹介されていたときなぜこの問題では①の微分をして極値を求めるという方法が使われているのだろうと考えることが大切です。このような作業を繰り返すこと、例えば関数の形によってどの解放が最適かを経験から見極めることができます。ポイント2 数学・物理は反復練習の数が重要 先程のポイントと共通点は多いですが、効率よく欠点を回避するためには、反復練習は必須です。何度も何度も解いてやっと数学力は身に付きます。ここで、数学は才能だからと諦めないでください。ここで敢えて断言します。高専数学で才能は関係ありません。正しい努力をすれば必ずできるようになります。つまり、反復練習を行うことで解けなかった問題、そして初見の問題を解けるようにすること、これは才能ではなくまさに努力で実現できることです。 おすすめの方法は、問題集で解けなかった問題に付箋をはり、エビングハウスの忘却曲線(下の図)を参考に何度も反復することです。個人的なお勧めとしては解けない問題があったときには2日後、1週間後、1ヶ月後に解き直すのがお勧めです。現在では、この忘却曲線を利用した復習アプリなども多く存在するので活用して見るのもお勧めです。 ポイント3 高専の試験を分析し、優先的に解く教材を決めよう みなさんは、試験勉強の際にどの教材から手をつけていますか。闇雲に問題集や教科書の問題を解いていませんか。私の経験から、欠点をとってしまう方は、戦略的に取り組んでいない場合が非常に多いように感じます。 というのも、高専の定期試験は過去問との類似性が高いことが大半です。そのため、過去問を入手、もしくはこれまでの先生のテストの傾向から、どの教材から問題が出やすいかを分析することが欠点を効率よく回避する鍵となります。例えば、よく試験に出る問題として、先生が授業中に解説した問題、学校独自の演習プリントなどが挙げられます。 つまり、教材に試験に出やすい優先順位をつけて、順に取り組むことが最後のポイントです。とにかく欠点を回避したい方は、優先順位が最も高い教材を使って、これまでのポイントを駆使して勉強に取り組んでください。まとめ 数学を制するものは高専を制する いかがだったでしょうか。以上のことを統括すると、才能ではなく努力をすることで誰でも高専の数学の単位を取れるということです。多くの学生の指導経験から、数学の上達に必要なのは才能ではなく、努力であり、戦略です。今回紹介させていただいた方法をぜひ利用して勉強してみてください。これまでが嘘のように、欠点を取らなくなりますよ。 まとめとして再掲しますが、高専数学の単位を取り留年を楽に回避するコツは①高専数学の基礎は暗記科目。解き方まで理解し暗記しよう②数学は反復練習をしよう③高専の試験を分析し教材の優先順位を決めようの3点です。ぜひ試してみてください。