高専では、留年は全く珍しい事ではありません。例えば、私の学年では毎年40人のクラスから3〜5人の方が、留年していました。高専ではむしろ留年はよく起きることです。実際に私の友人も何人か留年し、場合によっては退学を決断せざるを得ない人もいました。今回の記事では、さまざまな留年者を間近でみてきた私の経験から、留年する人にありがちな特徴を紹介していきたいと思います。1、高専で留年する人は、生活習慣(自己管理)ができない この特徴は基本にして、最大の障壁と言えます。生活習慣が悪い人は基本的に学校で寝ている人が非常に多く、休憩時間ですら寝ている人すらいます。さらに自己管理ができない故に、自身の取得単位や累積不可単位すら正確に把握していない人が多いです。すなわち、進級判定の日に急に進級不可の現実を知るのです。実際に私自身もそのようなケースを見たことがあります。具体的にはある程度良い成績をとっていた同級生が学年が上がった際に何の告知もなく、忽然といなくなったことがありました。後に本人から聞いて知ったのですが、累積不可単位の計算を誤っており留年してしまったとのことでした。計算を誤っただけで人生が大きく変わってしまったのです。 さらに、授業中・休憩中で寝てしまうことで交友関係を築きにくいという大きなデメリットも存在します。高専の留年制度は学校によって厳しさが異なります。累積単位が〇〇単位を超えたら留年の高専、1単位でも40点以下の評価を取ってしまったら即留年の高専。学年により進級の条件が変わる高専。さまざまなシステムがあります。この記事をよまれた皆さんはぜひ一度、所属している高専の進級条件と自分自身の累積不可単位を確認してみてください。2、高専で留年する人は、「まとめノート」で満足する この特徴は、勉強しても成績が上がらない人に非常に多い特徴です。まとめノートが完成して初めて、勉強のスタートラインです(まとめノートを作ること自体には反対ではありません)。勉強の基本は反復練習で、1度書いただけで勉強ができるようになる人などいません。それにもかかわらず、まとめノートを一度作って(それもとても綺麗に作って)満足する人が多いです。まとめノートを作ったらそれを辞書のように使い、問題を解くときに見返したり、数学であれば証明を確認したり、とにかく繰り返し見ることに使いましょう。まとめノートは作って満足しないでください。何度も反復して頭に叩き込む以外、成績が上がる方法など存在しないと断言します。 まとめノートの適切な運用方法としては、低学年では特に作成するのは勉強になると思います。なぜかというと、まとめノートの作成によって文章を要約する能力、重要事項を把握する能力が身につくからです。これらの能力が身につくことによって、テストに出そうなところ、出ないところを瞬時に見極め、勉強の効率化を測れるようになるためです。そしてまとめたノートを見ながら、問題集や過去問などに取り組んでください。何度も見返すようにしてください。高学年になり、要点を掴むのが上手くなってきた際には、まとめノートを作らずとも、効率的な勉強をすることができるようになります。まとめノートを作ることは時間がかかる上に、満足感がありますが、それだけで終わらないよう、くれぐれも注意してください。3、高専で留年する人は、数学・物理を諦める これは、高専の中でも特に機械系、電気系、情報系、建築系あるあるだと思います。高専では、1年生から非常に専門性の高い学問を勉強します。2年生では一般的な高校生が3年生の時に学ぶ数学Ⅲを学びます。高専ではほとんどすべての専門科目の土台に数学が存在します。すなわち、数学ができて初めて学ぶことが許される学問がほとんどなのです。実際に、低学年の時に数学を諦めた人は、必ず留年してしまいます。数学的に理解すれば一本の筋で理解できる概念も、数学の知識がなければ全て暗記科目になり、高学年の勉強でパンクするのです。逆に言えば、数学さえできるようになれば、高専での進級難易度はグッと下がると同時に、編入試験でも非常に有利になります。物理も同様です。物理も基本的に工学的な専門科目の土台になる能力です。数学と並び苦手とする人が多い物理ですが、高専で学習していくためには避けられない科目と言えるでしょう。どんなに苦手でも数学と物理だけは、徹底的に低学年から勉強するようにしてください。数学と物理の基礎力が基礎力が後の高専ライフの運命を分けます。わからないところは先生に聞く、友達に聞く、塾に頼る、とにかく徹底的に対策をすることを勧めます。4、高専で留年する人は、友達が少ないことが多い 友達の有無は勉強には関係ないのではないか、と思った方も多いかもしれません。ですが、実際に高専を卒業された方なら、孤立している人は留年しがち、と言うことはなんとなく理解できるのではないでしょうか。理由として大きく2つあります。1つ目は、定期試験の過去問を手に入れることができないからです。過去問は、先輩もしくは同級生にもらうのが一般的で、手に入らないと大きく不利になります。高専の定期テストでは、多い時期で1回で15科目の試験があります。多くの人にとって、過去問なしでこれら全ての単位を取得することは非常に厳しいです。2つ目は、一人だけで勉強しないといけないからです。高専の定期テストの科目数は非常に多く難易度も高いです。私自身、友達と助け合いながら必死に定期試験を乗り越えてきました。加えて、高専はレポート課題も非常に多く、複数人で取り組むことを前提に課題が出されます。レポート課題は1つでも提出が遅れれば、単位を落とす、必修科目であれば留年となってしまいます。このレポート課題でも、痛い目を見てきた人を何人か知っています。課題も侮れません。これらのことから、高専で友達を作ることは非常に重要だと言えるでしょう。しかしさまざまな背景・価値観・状況などで高専で友達を作れない人も多いと思います。友達がなぜ重要なのか、上記のポイントは「勉強をするときに頼れる人がいるか、いないか」ということです。逆に言えば友達が居なくとも、勉強をする時に頼れる人がいれば問題ありません。学校の先生や先輩に頼れるなら頼る。あるいは高専の勉強をしっかり教えてくれる塾に頼る。そのような対策をすぐに講じることをお勧めします。高専で留年する人の特徴 まとめいかがでしたでしょうか。これらの4つの特徴が、筆者が見てきた高専の留年をする人にありがちな特徴でした。この記事を読んでいる皆さんで、もし共通する特徴があれば少しずつでも直していきましょう。