高専といえば、比較的偏差値が高く、入試問題も難易度が高いため、留年なんて無縁だろうと思われがちです。一方で高専は留年する人が多いという話はよく耳にするのではないでしょうか?これから僕が高専で実際にみて、感じてきた高専のリアルを紹介します。高専は留年が多いのは本当なのか? 結論から言います。高専で留年する人が多いという噂は本当です。一般の高校とは比較にならないほどの割合で、留年者そして退学者が存在します。私の高専では1学年に120名ほどの学生がいたのですが卒業までには30名近くの留年者が存在し、 私の在籍した機械科だけで7名の留年者がいました。実際に、他の高専卒業生に話を聞く限り、どの高専でも留年率はほぼ変わらないと思われます。そのため高専に進学を考えている方、まだ入学して間もない方は留年を決して甘くみてはいけません。 では、どの学年で留年する人が多いのでしょうか。どの高専でも共通して言えることは1、2、3学年、つまり高校生と同じ範囲の学生が留年することが非常に多いです。理由として考えられることは2つあります。高専は試験科目が多い 1つは試験科目の多さです。高専生は一般教養科目に加え、莫大な数の専門科目の試験が課せられます。 私の高専では3年次に17科目ほどの教科があり、死に物狂いで勉強した記憶があります。5日間のテスト週間で15科目のテストを受ける必要があり、多くの人が単位を落としました。高専の専門科目が難易度が高い 2つ目は、専門科目の難易度の高さです。これを聞き「え?専門科目と言っても自ら入りたい学科に入学したんでしょ?」と思う方がほとんどでしょう。しかし、入学したは良いものの、思っていたものと違った、自分には合わなかったという学生が一定数存在します。たとえ一般教養科目の成績がどんなに優れていても、専門科目で単位をとることができなければ留年することになります。高専のリアルはかなり厳しいです。その証拠に高学年になるにつれ、専門科目が増え、成績がガクっと下がってしまう人も多いです。高専の留年の条件とは?? 次は高専での留年の条件を紹介します。留年するには大きく分けて3つの留年条件があります。それぞれ詳しく解説していきます。各高専が定める累積不可単位数を超えて単位を落としてしまったとき 1つ目は、累積不可単位が10単位以上になった場合のルートです。累積不可単位とは、これまで落としてきた単位の合計のことです。累積不可単位数が10個以下の場合、進級することができますが、10個まで積み重なった年で強制的に留年します。単位を落とす条件は、定期テストと課題の評価点が60点以下の場合です。ちなみにこの累積不可単位数は高専により異なり、8単位の高専や12単位の高専があります。各高専が定める必修科目の単位を落としてしまったとき 2つ目は、必修科目を落とした場合のルートです。 必修科目とはその年に必ず履修しなければいけない科目の事を指します。この必修科目は1科目だけでも落としてしまうと強制的に、留年が確定します。未履修に認定されてしまったとき 3つ目は、未履修になった場合のルートです。未履修とは、授業に参加していないということです。これは意外な落とし穴なので注意が必要です。定期テストでどんなに良い点数を取ったとしても、その科目の出席日数が足りていなければ不可、さらに足りていなければ未履修と言った形で判定されます。この判定は厳しくまた高専により細かな条件が異なるので、不安な方はぜひシラバスを見ることをお勧めします。 私 の高専では数回程度休んだだけでも未履修になる科目が存在したため冷や汗をかきました。高専で留年する人の共通点とは?? 私の身の回りで留年していく人には多くの共通点がありました。共通点が多い順に紹介します。まず、あげられるのが自己管理ができない人です。というのも、勉強以前の話で、具体的には、生活習慣が乱れ、授業中もずっと寝ている、休む日が多い、これまで自分が落としてしまった単位すら曖昧であるような人です。これに当てはまる人は今すぐ生活態度を改めましょう。 次に、数学が苦手な人です。高専では高校より早く理数系の勉強が進みます。特に数学は高校生のうちに大学範囲の数学を受ける必要があります。そのため数学は単位数が多く、数学科目を数個不可になれば留年してしまいます。また、専門科目のほとんどで数学の知識を使うため、専門科目も必然的に落としやすくなってしまいます。数学が苦手な自覚がある人は、早い段階で対策を打っておきましょう。 最後に、専門科目が苦手な人です。学年が進むにつれて、専門科目の科目数は倍々に増えていきます。4、5年生になるとほとんどが専門科目に置き換わります。つまり、学年が進むにつれ進級が大変になります。苦手な人は塾に通うなどして、数学と同じく低学年から徹底的に勉強しなおすことを勧めます。まとめ いかがだったでしょうか。上記にあること全て 私が実際にみて、経験してきた高専の留年のリアルです。想像よりも厳しい世界だったのではないでしょうか。しかしながら留年の対策方法はいくらでもあります。早い段階で己の弱点を知り、対策を打つことが最も重要なのです。よろしければ留年を回避するための記事も書いていますので、そちらも見て頂けると幸いです。https://techno-semi.site/?p=1232